遺言書の効力と活用
遺言書の効力と活用方法について、なんとなく知っている、という方は多くいらっしゃると思いますが、実際遺言書があった事で、多くの遺産を受け取った方や、全く遺産を受け取れなかった方など、残された人にとって遺言書の効力は非常に大きいものなのです。
ここでは、遺言書の効力と活用について、ご説明いたします。
遺言書の効力
遺言書の効力はどのようなものなのでしょうか。遺言書があるかないかによって、多くの遺産を手にいれたり、逆に遺産を全く受け取れないという事もあるのです。
実際にあった例をあげると、父、母、子3人の家庭であり、3人の子A男、B男、C子とします。
父はすでに他界しており、母は介護を要する状況にあり、末っこであるC子が母の介護をしていました。母の財産は自宅(約3,000万円ほど)と預貯金1,500万円ほどでした。
そして母が他界し、A男は亡き母の財産を子3人で遺産分割する事になると思っていましたが、母は公正証書遺言を残しており、介護をしていたC子は遺言書がある旨を2人の兄に伝えました。
母が遺した遺言書には、「 葬儀、供養にかかる費用を預貯金から支払、残った財産は70%をC子に、残り30%をA男・B男で分けるように」との記載がありました。
結果、自宅と預貯金1,000万をC子が相続し、A男・B男さんはそれぞれ200万円ずつの相続となりました。
A男・B男さんからしてみたら、「C子がほんの2年ほど介護をしていたというだけで70%もの遺産がC子の手にわたってしまうなんて・・・・」という悲しいお気持ちがあると思います。そしてずっとお母様の介護を一人でしてきたC子さんにとっては、苦労が報われ、自宅も売却しなくて済み、今後も母が居た自宅に住めることに、一安心したこととと思います。
上記のように、遺言には大きな法的効力があるという事がお分かりになりましたでしょうか?
遺言が法的効力をもつ遺言書であった場合、遺言に従った形で相続する事となります。
しかしながら、効力を持たない遺言(内容に不備等あった場合)には、せっかく作成した遺言が無効になってしまいますので、内容に不安がおありの方は、当事務所にご相談ください。
遺言書の活用
以下のような方は遺言書を活用することをおすすめいたします。
- 相続人が複数人いて、遺産相続が複雑になりそうという方
- 相続人に、養子、前妻との子、認知した子など、直接相続人全員と面識のない相続人がいる方
- 相続人同士不仲であり、相続が発生したらトラブルになりそうと不安な方
- 病院に入院している親族に、遺言を作成しておいてほしいという方
- 法定相続人以外の第三者に遺産を遺贈したいという方